悲しきヒーローの旧友
ヒーローの多くは家庭的に不遇で、ストーリー開始時には両親は既に死亡しているケースが多い(平成ライダーシリーズ以降は姉や妹が幅を利かすことも多くなったが)。
また、苛烈な戦いに身を投じる境遇となった故か、それまでとは大きく境遇の異なる場に身を置くことで、それまでの人生における関係者が出てくることも少ない。
ただ、主人公を張るキャラクターゆえ、彼らに人望がないことはなく、ストーリー開始以前には懇意にしていた者も多く、時として「主人公の旧友」が単発的に登場した話もあった。主人公ならずとも旧友との思わぬ再会は嬉しいものである。主人公が「友」と認めている人物だけに彼らの多くは有能で、情に厚く、様々な意味での好敵手であったことも多かった。
しかし、残念なことに「主人公の旧友達」は多くが作中にて非業の最期を遂げた。また友情がその時点で既に壊れていたケースも少なくない。ストーリー的に後味の悪い終わり方も散見されたが、それでも旧友への想いがストーリーに味を持たせたのも事実である。
旧友は何故に友足り得たのか?
友情はどう変化したのか?
主人公の想いはどうなったのか?
本作では悲劇の裏に隠れた友情物語を考察してみたい。
1.早瀬五郎………ライバル心が魂を歪ませた?
2.高木裕介………悪の組織に身を投じても……
3.水野一郎………研究への一途さがすべての仇に
4.沼田五郎………人を捨てる決意をもたらした友情
5.和久宏………今際の際に取り戻した心
6.弁慶………最後の戦いに散った義侠心
7.小針正………本当にノーブル賞候補?
8.秋月信彦………翻弄された運命の中の友情とライバル意識
9.北村雄一………恩義と理想の歪みに付け込まれて
10.永遠の友情とは?
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特撮房へ戻る令和四(2022)年五月三〇日 最終更新